わたくしごと註解

17-18世紀の西洋哲学および生命思想史を研究しています。執筆者については「このブログについて」をご覧ください。

2025-01-01から1年間の記事一覧

哲学史の博士論文を書き終えるまでの14年(4)託された課題と修士論文

「いろいろ、ありがとう、そしてよろしく」。これは、私を研究の道へと誘った橋本先生から届いた最後のメールの末尾に付された一言である。2017年4月、橋本先生は亡くなった。がんだった。私が修士課程に入学して半年くらい経った2015年の秋頃から、抗がん剤…

哲学史の博士論文を書き終えるまでの14年(3)内面化された卑下と向き合う

※ここまでのあらすじ:大学院の存在すら知らなかった私だが、出会った人々に勧められるがままに哲学研究の道へと進むことになった。ライプニッツをテーマに卒業論文を提出し、大学院入試を終え何も知らない大学院の世界へと歩み出す。 2015年4月、私は修士課…

哲学史の博士論文を書き終えるまでの14年(2)卒業論文と大学院入試

哲学史の分野で大学院に進むためには大きく分けて3つの能力が求められる。(1)外国語の文章を正確に読めること。(2)哲学史に関する一般的な知識を持っていること。(3)問題を整理して論文を書き上げられること。大学によっても異なるが、秋入試では卒業…

哲学史の博士論文を書き終えるまでの14年(1)「大学院」の存在を知る

「そろそろ大学院の準備もしないとね」。大学3年の終わり頃のことだっただろうか。周りに勧められるがまま就職セミナーなどに参加していた頃、有志を集めて読書会を開いてくれていた橋本先生が、ふとしたときに私に向けて口にした一言が、きっかけだったよう…

ライプニッツ・リソース

ライプニッツ哲学を学ぶうえで便利そうな情報をまとめています。 誤った記述を発見した場合や、付け足して欲しい内容がある場合には、ご連絡ください。 一次文献 基本のゲルハルト版著作集とアカデミー版全集 ゲルハルト版哲学著作集(GP、G)(全7巻):Die…

【論文紹介】Victor Lowe "Whitehead's Gifford lectures" (1969)

Victor Lowe "Whitehead's Gifford lectures" Southern Journal of Philosophy 7[4], pp. 329–338. https://doi.org/10.1111/j.2041-6962.1970.tb02069.x ホワイトヘッド『過程と実在』の読書会中に、Lowe によるホワイトヘッドのギフォード講義に関する論文…

2025年3月に購入した本、購入したいと思った本

届いた本 ライプニッツの最善世界説 (知泉学術叢書 36) 作者:ポール・ラトー 知泉書館 Amazon 一元論の多様な展開―近代ドイツ哲学から、世紀転換期の英米哲学を経て、現代の分析哲学まで― 晃洋書房 Amazon 購入した本 バウムガルテンとスピノザ論争史──18世…

茅野大樹『ベンヤミンとモナドロジー:関係性の表現』の読書メモと感想

茅野大樹『ベンヤミンとモナドロジー:関係性の表現』(法政大学出版局, 2024)の読書会を2025年2月2日から4月6日にかけて、オンラインにて開催した。各回担当者がレジュメを作り発表、その後全体で気になる部分を討議するという形式で行った。時間配分は、…