とある人文系大学院生のエクセル文献管理術

書籍や論文をどのように管理するのか、この問いは尽きることのない論争を生み出してきた。文献管理ツールも様々にあり、どれを使えばいいのか迷う。私自身、大学院に入ったタイミングで、図書館の文献管理セミナーを受講し、いくつかのツールを試してみた。だが、どうもうまく定着しなかった。そして、紆余曲折ありつつも、最終的にエクセルへとたどり着いたのである。

以下で紹介するのは、私が5年ほど実践してきたエクセルでの文献管理の方法である。この文献管理方法によって得られる利点は次の4つほどであろう。

  1. 探している文献をすぐに発見することができる
  2. 論文等の文献リストを作成する際にエクセルから直接コピペすることができる
  3. 管理それ自体に関してカスタマイズの幅が広い
  4. 紙媒体に関しても適用することができる

それでは実際にその方法をみてゆくことにしよう。


1. 欲しい文献をみつける

書誌情報もエクセル表に登録する必要があるため、詳細な情報を表示しておこう。


2. エクセルファイルを用意する

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エクセルを開いて、文献情報を入力する準備をしてゆく。項目は好きなものを用意すればいいのだが、私の場合は左から「形式」「ファイル形式」「言語」「番号」「著者名」「タイトル」「ジャーナル名、出版社」「巻数」「年」「ページ数」「キーワード」としている。とりわけ番号を振るという点が重要である。


3. 情報を入力してゆく

できるだけ正確な情報を入力しておくと後々楽である。とはいえ、最も重要なのは、このエクセル表を参照すれば、どこにどの論文が保管されているか即座に発見できるようになっているということである。そのさい番号が大きな役割をはたす。

振ってゆく番号の先頭には記号をつけておくとよい。番号のみではパソコン内で検索をかけた際に余計なファイルが表示されてしまうことがある。対して、記号と一緒に番号を振っておくことで格段に探しやすくなる。私の場合は「N」だが、なんでも良い。


4. ファイル名をつける

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論文を紙でコピーした場合には、番号を付けたファイルに入れて順番に並べておけば、論文を探す手間がだいぶ省ける。データとしてパソコンのなかに保存しておく場合、自分でファイル名を打ち込んでもいいのだが、さっきのエクセル表を使うのが早い。

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エクセルには特定のセルを参照して繋げ合わせてくれるCONCATENATE関数が用意されている。それを使うことによって、入力した情報を好きなように繋げて出力することが可能である。上の表で一番左のセルの場合は「=CONCATENATE(D行数,"_",E行数,"_",F行数」という関数で出力している。これをファイル名としてコピペしておけば、エクセル表と論文データとの相互参照が容易になるわけである。

他にも様々な引用形式をこの関数で表現することができる。多くの形式に柔軟な仕方で対応可能にするためには、それぞれのセルの中身を細分化しておくのがよい。例えば、著者のファーストネームとファミリーネームは、別々のセルに入力した方が扱い易いかもしれない。


5. カスタマイズしてゆく

エクセルで文献管理をする最大の利点は、個々人でできるカスタマイズの幅が広いという点にあるだろう。例えば、チェックボックスを使用することで、論文執筆で参照した文献だけを取り出して一気にコピペすることも可能であろうし、気になる論文を別表に表示してゆくことも可能だ。

様々な可能性を与えられると、文献管理もひとつの楽しみなってくる。より自分にあった文献管理を追求するのも悪くないだろう。


以上、私が実践しているエクセルによる文献管理の方法である。これが最善であるという気は全くしないのだが、とはいえ、この方法で管理した文献を使って修士論文を仕上げることができたし、いくつかの論文も書いた。というわけで、全くダメというわけでもないだろう。文献管理に悩んでいる方の一助となれば幸いである。