わたくしごと註解

17-18世紀の西洋哲学および生命思想史を研究しています。執筆者については「このブログについて」をご覧ください。

第1回 このカレーがうまい「スリランカ風キーマカレー」(S&B)

とくにカレーをたくさん食べ歩いてるわけでも、レトルトカレーを買い漁っているわけでもない私がカレーをレビューしようというのだから、あてにしないでほしい。ただ、カレー通ではないにしても、スパイスを揃えてカレー粉を自作するくらいにはカレーが好きだ。だから、ここに書くことについて、嘘を書いたりしようというつもりは全くない。つまり、正直な感想を書こう、ということである。

今回、ご紹介したいのはS&Bから出ている「スリランカキーマカレー」(レトルト)である。まずはこのパッケージを見てほしい。

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どうだろうか。ウコン色の黄色と暗い背景に浮かぶカレーの姿が最高にマッチしている。「スリランカ風」の文字の下には、「ぎゅっと詰まった挽肉の旨味、肉、豆、スパイスが織りなす絶妙な味わい」という文字がある。これだけで美味しそうだ。

私にはこの「スリランカ風」が一体どんな意味を持つのかわからない。スリランカ以外のキーマカレーと、スリランカキーマカレーがどう違うのか知らないからだ。スリランカというと、インドの下に浮かぶ島国だが、やはりカレーの味もインドとは違うのだろうか。たしかに、たとえば関東の料理と沖縄の料理は同じメニューでも味が全然ちがうことをかんがえると、広大なインドの上の方とスリランカとでは全く雰囲気が違うことは容易に想像がつく。国が違うくらいだし。

ところで「キーマカレー」とはなんだろうか。私が以前インドに行ったときに食べたキーマカレーは、たしか水分のほとんどないドライカレーだったように思う。それに比べて、この「スリランカ風 キーマカレー」は写真からもわかるように水分が多めである。キーマカレーという言葉自体は「挽き肉カレー」ぐらいの意味であるらしいから、水分量というのは地域や人によってマチマチなのだろう。カレーの水分量は基本的に野菜などから滲み出る水分によってかなり左右されるところがある。キーマカレーのもっともシンプルなスタイルということでいえば、玉ねぎと挽き肉だけで作ることができることを考えると、ドライカレーが生じてくるのもよくわかる話だ。

早く中身を見せてほしい、という感じだろうか。カレーをどのように温めるかということについても書きたいのだが、本題から逸れていきそうなのでまた今度にしよう。とりあえず、私はお湯で温める派だということだけ言っておく。そして、これが温めてご飯に添えた姿である。

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どうだろうか。この少し欠けた皿がいい味を出しているかどうかはさておき、見た目は普通のカレーと大して変わらない。とくに水分量が少ないわけでもない。ぱっと見、ひよこ豆が入っているところは特徴的だが。

しかし、違いは香りにある。他のレトルトカレーに比べて圧倒的に豊かなスパイスの香りが、今からこのカレーを食べようとする人の前に広がるのである。そして一口食べてみてほしい、香りはそのまま口の中までやってきて鼻に抜けていく。辛さはそこまでではないのだが、スパイスからカレーを手作りしたときのような香りの良さなのだ。これで、私はこのレトルトカレーのファンになってしまった。

思えば、さすがS&Bである。S&BのSはSpiceのSだし、BはherBのBなのだ。そしてこのカレーのシリーズ(?)名もSPICE RESORTである。スパイスの香りが広がらないわけがない。ちなみに辛さが抑えられているのは、ココナッツミルクが入っていることによるようだ。そこまでココナッツの香りはつよくないが、私としては辛いカレーが食べられない(カレー好きとしては致命的)ので、ありがたいことである。

ぜひ、スパイスの香りが好きだという方々にはこのカレーを一度食べていただきたい。ただし少しだけ他のレトルトカレーよりも高い。それでも、他を差し置いてこれをカゴに入れるくらいの美味しさはあるので、お金に余裕があるときに、少しだけ贅沢するつもりで食べてみて欲しいなぁと思うのである。