ブルーブラックのインクだから青でも黒でもない。
夜の空を見てみても、昼の青でも真っ黒でもない。
ペン先で吸い上げたインクを拭き取る紙に浸みこむ夜の空。
インクをこぼした紙に穴を開けて光を透かしてみたらよい。
それは夜だろうか。それともインクだろうか。
私はわからなくなることがある。
「あたかも何かのようである」ということは、一体それであることと何が違うのか。
極限まで類似させたらそれは同じものになるのだろうか。
眼鏡にそれを貼り付けよう。
視界いっぱいに夜の空が広がるのが見たい。
できれば星のきれいな夜がいい。