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CORPUS ORGANICUM

日々の雑記。

本に線をどのように引くのか

本に線を引くという行為に賛否両論あることは、いちおう知っている。その行為が効果的であるかとか、人の道に反するとか、そういう議論はとりあえず置いておきたい。ここで書きたいのは、「線を引くことにしよう」と決めたときの話である。しかも、「どこに引くか」という読書技術の問題は扱わない。そうではなくて、「どうやって線を引くか」、これである。

線を引くというのは難しい。大きな本ならまだしも、文庫本に線を引くというのは中心の湾曲に近づけば近づくほど難しくなっていく。フリーハンドで線を引こうとすれば、たいていの場合ふにゃふにゃとした線になってしまう。それでは、マーカーを使えば多少はまっすぐな線が引けるかといえば、そうでもない。「私は丁寧にやるからできる」という人もいるかもしれないが、本を読むことに集中するべきであることを考えると線を引くことは目をつぶってでもできるのが最前である。

まっすぐに線を引くという作業は、普段から絵を描いている人ならまだしも、普通の人にはなかなかできることではない。私も、小学生の頃「みみず」という学習教材を使ってひたすら線を引く練習をしたことがあったが(いろいろな形をなぞることで鉛筆になれるのだ)、いまだに全然上手く線を引けない。

そういう人間のために先人は道具を発明してくれた。定規である。定規を使うと線をまっすぐに引くことができるというのは、当然のようであるが、しかしすごいことである。人間の能力を拡張するという意味で、道具はだいたいすごいと思っている。これを使えば簡単にまっすぐな線が引けるし、本を相手にしても負ける気はしない。

しかし、本、とりわけ文庫本は強敵である。柔らかすぎる定規ではいけない。長すぎる定規も扱いが難しい。三角定規とかは尖っていて痛い。そういう、いろいろな悩みを乗り越えて、最近とても良い定規を見つけたのでそれをお知らせしたいのである。写真を乗っけるのが手っ取り早いだろう。

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見づらい写真で申し訳ないのだが、折りたためる定規である。みなさんご存知かもしれないが、折りたためる定規はとても便利だ。電車などの狭い空間では、折りたたんで使えば良いし、でかい本にはカチカチとひらいて使えば良い。驚くべき人類の知恵である。折りたためる定規のなかでもとくに、MIDORIという文房具メーカーの定規はとてもよいと思う。

定規を開くときに、カチカチカチと(音はしないのだが)心地よい引っ掛かり方で開いていくのである。何か喩えを見つけようと思ったのだが、私は今までの人生の中でこんなに気持ちよくカチカチするものを知らない。誰か良い比喩を思いついたなら教えて欲しい。

この定規を使って、そして赤鉛筆を使って線を引くのが私の最近の読書方法である。どういう箇所に線を引くか、というのは本の読み方によって違うと思うが、どうやって引くかということは、何を使って引くかということは、あらゆる読書に普遍的に利用できるように思う(もちろん線を引くことを決意した人間においての話だが)。どうせ引くならよりよい線を、である。

なぜ、よりよい線を引く必要があるのか。私は、二度と読まない本であればフリーハンドで線を引いてもいいと思っている。線を引くという行為自体に、要点を自分の中で整理するという意味があるから、二度と読まないとしても線を引くのは無駄ではない。しかし、二度と読まないならその線はてきとうでもかまわない。まっすぐな線を引くのは、何度もよみかえそうとしたときに、その線が読書を妨害することを防ぐためだ。まっすぐな線というのは、いわば特徴の無い中立無記的な線である。すべてのまっすぐな線は、同じまっすぐな線だ。ふにゃふにゃした線は、みんな違う。そういうものが隣にあると気になってしまうのだ。何も主張しないという意味で、まっすぐな線は線の中でも最高に無記的であるということが重要である。この理由で、私はよりよい線を引こうと思うのだ。

最後にアマゾンリンクをつけておく。私は以下のものを使っている。ちなみに、ここで買っても私にマージンは1円も入らないので、これを使って感謝したくなったときは直接金一封を送りつけて欲しい(ちなみにこの色えんぴつかわいいよ)。

 

ミドリ CL マルチ定規<16cm> 透明 42240006

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トンボ鉛筆 色鉛筆 色辞典 単色 CI-RV1 チェリー

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